ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「おれがどうでもいいことを言っている間に、きみの腹の虫が反乱を起こすといけない。はやく食うといい」

 そう勧めてきたクラウスは、笑いをこらえているみたい。

 なんてこと。彼にはっきりきこえていたのね。

 恥ずかしさで顔が真っ赤になっているのを感じる。

 とはいえ、空腹には勝てるわけがない。

 せっかくだから、いただくことにした。
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