ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 別荘ですごす最後の夜の食事後、玄関に飾られている池の絵を眺めに行った。

 別荘にやって来てから、池の絵を毎日眺めるのが日課になっている。

 これでしばらく眺めることが出来ない。そう思うと寂しくなる。

 絵画鑑賞、などという大げさなものではない。ほんとうにただボーッと眺めているだけなのである。

 それだけで満足している。

 わたしにはこの程度なのね。そう実感してしまう。
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