ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 執事長といったら、相当出来る人よね。それに、彼は初老。そのようなすごい人にエラそうなふるまいが出来るわけがない。というよりか、そのような度胸はない。だけど、出来るだけエラそうにしなくてはならない。

 だから、妥協できる範囲でエラそぶってみた。

 うまく出来た気はしないけれど。

 そんなわたしの焦りをよそに、ラインハルトはみずからわたしのことを発表してくれた。

 出迎えてくれている人々の祝辞は、歓声となって宮殿前の広場を包み込んだ。
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