ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 なんて素敵なのかしら。
 最高の気分である。

 ラインハルトの絵だけではない。続きの間は、落ち着いていてとても静かである。すごしやすすぎてひきもってしまうのではないかと心配になる。

 
 帝都にやって来たこの夜もまた、いつものようにトレーニングを行い、そしてぐっすり眠った。


 これまでいろいろな国の宮殿や屋敷ですごしてきた。あいにく、そのほとんどが使用人以下の扱いだった為、あてがわれた部屋は物置小屋レベルのひどいものだった。それでも、同じ敷地内のどこかに豪華な部屋はある。だから、それを想像して雰囲気くらいは味わっていた。
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