ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「酒は判断力を鈍らせる。ゆえに必要以上に飲まぬ」

 彼は、そのように公言しているらしい。

 もっともな言い訳、もとい道理よね。

 だから、どのような場や状況でも必要以上に勧められるようなことはないらしい。

 いまのところは、それでなんとかごまかせているとか。

 皇帝というのもほんとうに大変よね。

 つくづく気の毒になってしまう。

 丸テーブルの上に並べられているスイーツを見ながら、ラインハルトも食べたいだろうなとつい考えてしまう。

 そのとき、リタの肩がわたしのそれにぶつかった。

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