ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「いまあなたの周囲にいて、あなたのお茶を注いでくれているのは皇宮に務める侍女よ。皇族専属の使用人たちなの」
「だから? だからなに?」

 公爵令嬢は、美しすぎる顔の素敵な青い目をひん剥いた。

「あなたに命令権はないの。わかる?」

 リタは両肘をついて手を重ね合わせ、その上に形のいい顎をのせた。

「わたしは客よ。客をもてなすのがあなたたちの役目でしょう? だったら、客の要望には誠心誠意尽くすのが当然じゃない」

 彼女は、謎理論をぶってきた。
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