ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 ハハハ。ここまで勘違いしていたら、逆に可愛らしいわよね。

 あ、失礼よね。彼女の方が年上なのだから。

「あの」

 オロオロしている侍女に声をかけた。

「すみませんが、あたらしいお茶を持ってきてもらえますか? そのお茶は、わたしがいただきます」
「で、ですが、皇妃殿下……」
「いいのです。わたしは、このくらいの熱さの方が好みです。それに、これだけスイーツをいただくのです。わたしの分のお茶だけでは足りませんから。リタ、ゾフィ。あなたたちはどうするの? あなたたちも熱いお茶の方がお好みかしらね? ごめんなさいね。まだあなたたちの好みが把握出来ていなくって」
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