ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「あら、スイーツを召し上がらないのですか?」

 二人からディアナへ視線を移すと、いっさいのスイーツに手をつけていない。

 リタとゾフィの言葉を思い出した。

 ディアナにかぎらず、貴族令嬢たちは太るからとろくに食事をしないらしい。大好きなスイーツもずいぶんとガマンしているとか。

 わたしには考えられないけれど、ご令嬢たちはドレスが着ることが出来なくなるとか醜くなるからと涙ぐましい努力をしている。

 それはそれですごいな、とシンプルに感心する。

 先程、ディアナがお茶のことで絡んだ侍女が、彼女のあらたなカップにお茶のおかわりを注いだ。
< 384 / 759 >

この作品をシェア

pagetop