ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 一生懸命説明してくれている彼の言葉をさえぎってしまったけれど、これだけしてもらっているのである。わたしのことは気にしてもらわなくてもいい。そう伝えたかった。

「そう言ってもらえると気がラクになる」

 そして、彼はわたしの部屋に案内してくれた。

 兵士たちは、城壁の外にある簡易兵舎で寝泊まりをしているらしい。

 わたしの部屋は、石城の客間である。
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