ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 テーブルの向こうにいるディアナに尋ねてみた。

 同意を求めているわけでも賛同してもらいたいわけでもない。

 彼女は、どうせ過去をほじくり返してくる。たとえば、どれだけ悲惨な生活を送って来たのかとかどのような扱いを受けてきたのか、等々。そのことは、わかりきっている。

 隠し立てをするつもりはいっさいない。下手に隠し立てをすれば、それこそ強請や脅しの情報(ネタ)になってしまう。
 だから思いつく、あるいは思い出せるかぎりのことは話しておきたい。
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