ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 それが、いきなりこれなの? しかも、そのものズバリ?

 でも斬新だわ。わたしへの誹謗中傷の類のあらたな一頁を刻んだという感じかしら。これは、メモに残しておかないと。

 もう二度とあっち系の誹謗中傷まがいの言葉は、叩きつけられるようなことがないかもしれないから。

「あの、夜の営みって、もしかして、もしかして……」

 そんなことを内心で考えながら、おずおずと言いかけていったん言葉を止めた。しかも、わざと声を大きくしたので、向こうにいるラインハルトも気がついたみたい。ジークとシュッツを連れ、こちらへ歩き始めた。
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