ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 それはそれで楽しい。出来上がったものを食べる楽しみも味わえるから、二重に楽しい。

 ただ、こっそりしなければならないというところが正直不便でならない。

 早朝鍛錬の前か、鍛錬の終わった夜遅くか。

 まれに昼食から夕食の準備をするまでの間に厨房を使わせてもらうときがある。その時間帯は、料理人たちが数時間の休憩に入っているからである。だけど、万が一のことを考えて人の目があるときバージョン、つまり仲が悪いふりをしている。
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