ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 ゾフィが、クスクス笑いつつ指摘してきた。違うのよ。いまのは口を閉じ忘れているのではなく、ふさがらないの。

「グルーバー公国は、暗殺や諜報や工作や傭兵やテロなど、そういうヤバい活動を財源として成り立っているのです」
「それは……。まるで小説の中の話だわ」
「そうですね。ですが、現実なのです。しかも、一応国としてやっていけています。建国以来、バーデン帝国に一度たりとも支援や庇護をしてもらったことがありません。活動はこの辺りの国々だけでなく、はるか遠くの大陸にある国々にまでおよびます」
「つまりそれだけ需要があるということよね、リタ?」
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