ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ジークとシュッツの暗殺を依頼したのは、いったいだれなのかしら? これって、尋ねていいこと? やはりバイオレンス系やミステリー系の小説みたいに、依頼人のことは語れないのかしら」

 二組のカップルの馴れ初めはともかく、依頼人がだれなのかを知りたいと思うのは当然の心理よね。

「ああ、それですか? かまいませんよ……」

 リタが言いかけたとき、廊下に面する扉の向こうが騒がしくなった。
< 451 / 759 >

この作品をシェア

pagetop