ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 そのとき、業を煮やした執事長のヴォルフが割って入ってきた。

 彼は、宮殿内の様々な権限を与えられている。

「うるさいわね。わかったわよ」

 彼女が口を開けるたび、強烈な酒精が漂ってくる。

「何事だ」

 そのとき、ラインハルトがやって来た。うしろにジークとシュッツを従えている。
 調練の打ち合わせから戻ってきたばかりの三人は、将校服姿で左腰に剣を佩いている。
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