ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「グラーツ将軍も宰相派の一人だよな」
「ああ、シュッツ。でっ、ディアナの元彼氏だ」

 シュッツとジークは、顔を見合わせて笑った。

「ああ、きいたよ。なんでも、たったの二日でディアナにフラれたとか」
「ええ、陛下。それもこっぴどくです。青年将校だけでなく、独身の将校のほとんどが彼女に手痛い目にあわされています。そういう連中は、それでもまだ宰相派なのですから呆れます。矜持ってものがないのでしょうかね?」
「いまどきの軍人は矜持よりもレディにモテることの方が大事なのさ、ジーク。もちろん、ぼくらは違うけどね」
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