ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 シュッツの最後の言葉は、リタとゾフィに向けられたものである。

 彼女たちは、苦笑でそれを受け止めた。

 みんなで控えの間に移ると、頼りなさそうな将校がウロウロと歩きまわっている。彼は、ラインハルトを見ると、慌てて最敬礼をした。

 背が低くて小太りでメガネでオドオドしていて、まるで自分を見ているみたい。

 グラーツ将軍の第一印象は、「わたしみたい」である。
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