ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?

豪快な食事

「すごく豊潤な味わいですね」

 葡萄酒の感想は、小説のこういうシーンで登場人物がいう台詞を借りた。

「そうだろう。きみの口にあってよかった。さあ、食べよう。話はあとまわしだ」
「はい」

 そうね。まずは食事よ。

 馬車の中であれほど食べたのに、お腹がペコペコだなんて信じられないわ。

 意気込んでテーブルを見下ろしてみたものの、料理が豪快すぎてなんと評していいのかわからない。
< 49 / 759 >

この作品をシェア

pagetop