ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「その、準備が整いました」

 グラーツ将軍は、とにかく頼りない感が半端ない。もしもわたしが彼の大隊に配属されたら、即座に配置転換をお願いするか戦死することを嘆き悲しむかするに違いない。でも、よく見ると知的な感じがする。同じメガネ顔でも、彼のメガネは。もともと頭脳明晰で本を読みすぎたり勉強のしすぎで目が悪くなったのかもしれない。

「すぐに行く」
「は、はあ……」

 彼は、オドオドしながら再度敬礼をした。
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