ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 彼は、真っ赤になって俯いた。

「グラーツ将軍。子どもの頃から多くの書物を読み、様々な知識を得ていらっしゃるのです。それは、バーデン帝国軍にとってかけがえのない財産のひとつであることに違いありません。将軍として、どうか陛下を助けて下さい。あなたの知識と経験が、陛下や皇子たちを助け、役に立ってくれるのです」

 彼の知的なメガネ顔がパッと上がった。

 やだ。単純で思い込みが激しいのもわたしと同じだわ。
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