ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「それはおめでとう。一番上の弟さんよね? 帝都の美術学校で腕が磨けたらいいわよね」
「妃殿下、ありがとうございます」

 彼女は、うれしそうに笑った。そのブラウンの瞳はキラキラしている。

 だけど、美術学校の費用がそう安くはないことを、ラインハルトからきかされた。

 いまわたしが言ったことは、無責任であることはいうまでもない。それどころか、傲慢だったかもしれない。
< 509 / 759 >

この作品をシェア

pagetop