ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「怪しげなので侍女長に相談しようと思ったのですが、わたしのところに混じっているのがなにか意味があるのかと。申し訳ございません。危険なものかもしれないと、いまさら思いいたりました。やはり、侍女長に……」

 彼女は、慌てて封筒を奪い取ろうとした。

「妃殿下、支度はまだですか?」
「ほんとう、せっかく誘ってあげたのにグズグズしないでほしいわ」

 そのとき、リタとゾフィがテラスからやって来た。

 二人がさっと視線を走らせ、いまの状況を把握したのがわかった。
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