ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「あなたって、わたしのことね」

 当然のことだけど、一応確認しておいた。

「匿名のはずなのです」
「匿名のはず?」

 リタの謎めいた言葉は、まるでミステリー小説に出てくる言葉みたい。

「なんてことかしら。彼女、手紙まで残念すぎるわね」

 リタの手元の手紙をのぞきこんだゾフィは、大笑いし始めた。
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