ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「でっ、ババアって? ああ、あなたの叔母様のことね。それで、ババアは何を話していたのかしら」

 リタが尋ねた。

 忘れていたわ。そこよ、そこ。

 もしかして、いきなり核心をついてくるのかしら。

「妃殿下がミステリー小説が好きだということよ」
「はいいいいいい?」

 思わず声が出てしまった。
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