ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 ハッと気がついた。というよりかは、目が覚めた。

 眠ってしまったのね。

 いままでウトウトすることはあっても、寝落ちしたことはなかったのに。

 ボーッとした意識のまま、枕から顔を上げた。

 いつの間にか室内の灯火が消えている。

 ラインハルトが消したに違いない。

 背中に上掛けがかけられている。

 これもまた、彼がかけてくれたに違いない。

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