ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ですが、噂を鵜呑みしているわけではありません。出来るだけ先入観を持たないように、とは思っているのです」
「すまない。生まれて初めて訪れる国の皇帝に嫁ぐのだ。どのような皇帝であれ怖いだろうし、不安だろう。そんな当たり前のことを尋ねるとは、おれもデリカシーがないな。だが、そうだな。皇帝は、イヤな奴じゃない。それだけは言っておこう。とはいえ、おれ自身は彼が大っ嫌いだが」
クラウスは、そう言ってからウインクをした。
そのおどけた様子に、思わず笑ってしまった。
「すまない。生まれて初めて訪れる国の皇帝に嫁ぐのだ。どのような皇帝であれ怖いだろうし、不安だろう。そんな当たり前のことを尋ねるとは、おれもデリカシーがないな。だが、そうだな。皇帝は、イヤな奴じゃない。それだけは言っておこう。とはいえ、おれ自身は彼が大っ嫌いだが」
クラウスは、そう言ってからウインクをした。
そのおどけた様子に、思わず笑ってしまった。