ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 オリーヴィアは周囲に男性をはべらせ、女帝のように振る舞っている。

 ディアナがわたしに「耳に入れたいことがあるから待っている」なんてこと、小説ならぜったいに罠よね。

 わたしを孤立させ、殺すか攫うという計画に違いないわ。

 さて、どうしましょう。

 チラリと執事を見た。

 どこにでもいる普通の執事ね。

 彼も一味の一員なの? それとも、そんな悪だくみなどまったく知らずに言われたまま伝えにきているの?

 もしかして、わたしの考えすぎ? ほんとうにディアナが会いたがっている可能性だってある。
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