ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「初めまして、カルラさん。チカです」
「キャアッ、どうしましょう、お兄様。妃殿下に話しかけられたわ」

 彼女のあまりの可愛さにキュンときてしまった。

「あの、妃殿下」

 執事はイライラしているみたい。

「ごめんなさい。すぐに終わります」

 執事に言ってから、グラーツとその妹のカルラに向き直った。
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