ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 これが暗殺者だったら、わたしは確実に刺されるか突かれるか斬られるかしていたはず。

 当然、死んだはずね。

 自分が殺されたと認識することなく。

「ハンス、もういいわ」
「はい、お嬢様」

 屋敷内から出て来てわたしにぶつかって、というよりかは抱きついてきたのはディアナだった。

「妃殿下、はやく中に入って下さい」

 彼女におもいっきり腕をひっぱられ、屋敷の中に連れ込まれてしまった。
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