ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ディアナさん……」

 言いかけたとき、「ガチャン」と屋敷内のどこかでガラスが割れた音が響き渡った。

 周囲が静かなだけに、余計に響き渡った気がする。

「な、なに? なんなのいまの?」

 ディアナは、絶世の美女と謳われている美貌に不安気な表情を浮かべている。

 美女は、怖がるときもやはり美しいのね。

 ムダに感心してしまった。
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