ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ディアナさん、灯りを消してください。玄関と裏口以外で、ここから抜けだせそうな扉や窓はありますか?」
「え? いったいどういう意味……」

 ダメだわ。彼女、まったく役に立たない。

 仕方がないので、自分で玄関口の灯りを消してまわった。

「あなたが見たとき、男たちは何人いましたか?」
「えっと、五人くらい? いえ、十人だったかしら」

 ダメだわ、彼女。記憶力もお花畑ね。
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