ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「こっちです、妃殿下」

 そのとき、まるで何かが憑依したかのようにディアナがキビキビし始めた。

 先程と同じように、わたしの腕をつかむとひっぱり始めた。

 複数の窓から射し込む月光を頼りに、彼女は玄関ホールから奥の廊下へとわたしを導いた。
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