ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 お酢?

 そう。酢のにおいのような気がする。

「酢のにおいみたいだけど」
「ああ、それならさっきキャベツの酢漬けの瓶から中身をふっ飛ばしたのです」
「はい?」
「キャベツの酢漬けです。妃殿下は、ご存知ではないですか?」
「それは知っています。大好きですし」
「わたしはあまり好きではありません」
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