ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 彼女は、世の中の男性たちが見惚れるほどの笑顔に笑声を添えた。

 耐えるのよ、わたし。人にはそれぞれ性質というものがあるの。わたしには、たくさん悪いところがある。もちろん、彼女にだってあるわ。おたがい様なのよ。

 だから、いまは無心でいるの。

「どうして掃除をしないの」とか、「そもそも、瓶の蓋をどうしてもっとスマートに開けようとしなかったの」とか、思うところはいろいろありすぎるけれど、そんなことは些細なことなの。
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