ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「それは……。まあ、そこそこは……」

 言葉を濁しておいた。それどころではないわよね、と思いつつ。

「えええっ! 妃殿下って見かけによらずなんですね。すごいですわ。さすが、わたしが見込んだだけのことはあります」

 ディアナが褒めてくれた。何に対してかはわからないけれど。

 そのとき、男たちの一人がわたしたちに向かってくるのがディアナ越しに見えた。
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