ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 バーデン帝国軍とともに帝都に向けて国境近くの居城を発ったのは、二日後だった。

 道中、クラウスはあれやこれやと世話を焼いてくれた。クラウスだけでなく、将兵たちも親切にしてくれた。
 クラウスは、行軍途中にある町や村や素敵な景色やめずらしい場所などに連れて行ってくれた。

 そういう場所へ行きやすいよう、乗馬を習った。

 初めての体験だったけれど、乗馬が大好きになった。性に合うのか、軽く駆ける程度までならすぐにマスターすることが出来た。

 貸してくれた牝馬が賢いからかもしれない。それから、クラウスの教え方がうまいのもある。
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