ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「獅子さん、きっとあなたのお嫁さんになるわ」

 そのように。

「獅子さん」というのは、わたしが金色の髪と瞳を持つ彼につけたあだ名である。

「ぜったいに、ぜったいにきみを見つけ出す。見つけ出して、奥さんにするからな」

 彼も、襲撃兵たちに取り押さえられながら何度も叫んでいた。

 その直後、わたしは記憶を失った。
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