ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 乗馬が出来るようになったお蔭で、ごたいそうな馬車では行けないような場所でも連れて行ってもらえた。

 バーデン帝国は、広くて美しくて豊かである。それを心から感じた。

 クラウスの案内は申し分なく、そのお蔭で堪能出来るのかもしれない。

 食べる物も最初の豪快な料理同様豪快なものばかり。だけど、美味しくてお腹いっぱい食べてしまう。

 はやくも太ってしまったような気がするのは、わたしの気のせいだと信じたい。

 クラウスと二人っきりで食べることもあれば、将兵たちと食べることもある。どちらもお喋りをしながら楽しく食べるので、ついつい食べ過ぎてしまう。
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