ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 途端に視界がぼんやりしてしまった。視力矯正のトレーニングのお蔭で、以前よりかはマシだけれど、それでもまだ見えにくい。

 すると、人々がざわめき始めた。

「う、嘘だろう? 陛下、これは詐欺ではないか」

 ヨルクの怒りの声が耳に飛び込んできた。
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