ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「きみに褒めてもらいたいからね」
「陛下ったら」

 思わず笑ってしまった。

「そう。その笑顔だ。それが最高だ。きみのその笑顔は、まだ小さい子どものときからちっともかわっていない」
「ありがとうございます。出来るだけ、笑顔で陛下の側にいます。もちろん、メガネをはずすようなことはしませんので」
「そうだな。この帝国のほとんどの男どもの首をみずから刎ねるような事態になれば、おれは暗君とか愚帝として後世に語り継がれることになる」
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