ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「そうだな。これでは、きみに嫌われてしまうな。これではただのスケベジジイだ」
「いえ、陛下。違うのです。お腹が減って死にそうなのです。これって『腹が減っては戦が出来ぬ』ですよね? わたしの愛用の小刀が使われている国では、そういう格言があると陛下が教えて下さいました」
「そ、そうだな、チカ。きみは、色気より食い気だ。それこそ、きみらしくてますます愛おしくなる。では、厨房に行って肉と野菜を焼いてかぶりつくことにしよう」
「うれしいです」
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