ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 そうだった。今日、わたしの誕生日だった。二十二歳の。

 忘れていたわ。だけど、どうして彼が知っているの?

 そういえば、一番最初に話をしたときに、何かの話から今日が誕生日だということを伝えたような気がする。

 ということは、彼はそれを覚えていてくれたわけ?

 馬首を返して、彼のもとに戻りたい衝動に駆られた。

 急激にわけのわからない感情が溢れ出、制御出来なくなりそうになった。

 その感情を抑えるのに必死になった。
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