【完結】呪われ令嬢、王妃になる
 馬車はゆっくりと速度を緩めていき、そして王宮の玄関の前で止まる。
 シェリーが馬車の階段を降りると、目の前には数えきれないほどのメイドが……と思いきや一人の騎士がいた。

「お待ちしておりました、シェリー様」
「お出迎えありがとうございます」
「陛下がお待ちです。こちらへどうぞ」
「え、ええ」

 漆黒の髪をした騎士がシェリーを王宮の一室へと案内する。
 おとなしく後ろをついていくと、扉の先には王と思われる金髪の男性がソファに座っていた。

「陛下、お連れしました」
「ああ、ありがとう」

 書類に目を通していたようだが、その書類を横にいた人物に渡すと陛下と呼ばれた人物はシェリーのほうに歩いてきた。
 慌ててシェリーはカーテシーで挨拶をすると、満足そうに陛下は手を差し出した。

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