君は、6人目のメンバー。
(な、無い……)


予期せぬ出来事に、頭がくらくらする。


放課後、裏庭にある藤棚の下。

この藤棚の下にはベンチがあるんだけど。

この学校には、お洒落な食堂とか、軽食が食べられるカフェテリアとか、そんな居心地の良い場所がたくさんあるから、誰もこんなところには来なくて。

だから、ここは私のお気に入りの場所。


ここに来てお弁当を食べたり、ちょっと勉強したり、音楽を聞いたり…好きなことをしている。

で、今日のお昼休み、お弁当を食べた後、
ぼんやりとポエムノートを見ていたら、
たまたまクラスメイトかが通って、声をかけられて。

びっくりしてノートをベンチの下に隠して、
そのまま忘れちゃって。

放課後なってそれに気づいて、今取りにきたんだけど。


無い。

嘘でしょ。

誰かに見られたら……最悪!!!

まぁでも、もし見られたとしても誰が書いたかわからないし…

そう考えて、またハッとする。


ダメだ。

今日に限って、あのノートに進路についてのアンケートを挟んでいる。

先生は、「気楽に書いて」っていってたけど、どう書いたら良いかわからなくて、今日ここで書こうと思って…。

で、結局また書けなかったけど、クラスと名前の欄だけは、しっかり書いてしまっている。


あれを見られたら…あのノートが私のだってバレちゃうよね?

そして、あのポエムを書いたのが私だってことも…


かぁっと、顔が熱くなる。

モクモクモク、と、妄想が広がる。


回し読みされる可哀想なポエムノート。
クスクス、とクラスメイトたちがこっちを見て笑って……


だめ!!恥ずかしすぎる!!!!


どうしよう、どうしよう。



もしかして、もしかしたら、掃除のオバさんが拾ってくれてるってことも!?

忘れ物コーナー、見に行こう!!



そのあと、学校中を探し回って。
職員室でも聞いて。


それでも、ノートが見つかることはなかった。












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