君は、6人目のメンバー。
「ほんと、ごめんっ!!!」
私に向かって、ジェリーフィッシュのカイトとヒカルが深々と頭を下げる。
いやもう。
ほんともう。
訳が分からない。
いや、分かったんだけど……、やっぱり分からない!!
コンビニに早瀬カイトが現れた後、
私は早瀬カイトと一緒にジェリーフィッシュのマネージャーさんの運転する車に乗り込み
、事務所の会議室に連れてこられた。
車の中での早瀬カイトの説明によると……。
私のノートをたまたま拾った早瀬カイトは、
(これもビックリなんだけど、私の憩いのスポットの藤棚は、実は早瀬カイトも1人になりたい時によく行くらしい)
誰のものだろうとペラペラめくって、
あの詩を見つけて、気に入って、
その前後をつけて、メンバーのヒカルさんにみてもらっていたらしい。
で、その後、忙しすぎてそのことを忘れちゃって。
その間にヒカルさんがマネージャーさんに詩を渡して、アルバムの中の一曲になって。
早瀬カイトはビックリして、
早く私に了承を得なきゃと思ったけど、
レコーディングの後に
すぐにプロモーション活動で海外に行ったりして、できなかったらしい。
「あり得ない!!!アンタは著作権をなんだと思ってんの!!!」
大きな声で早瀬カイトとヒカルさんを怒鳴りつけたのは、
私じゃなくて、マネージャーの春風さん。
めちゃくちゃ美人でオシャレな人だけど…、
長い髪が逆立って見えるほど、怒っている。
会議室の長い机の向こうで、
シュン、とうなだれる2人。
「あ、あの!大丈夫ですので!別に全然…」
「ダメよ!これは野原さんの大事な作品なんだから。それを勝手に使うなんて!!私も迂闊だった。本当に申し訳ありません」
大事な作品…。
私の、ただの妄想のあの詩が?
気持ちがぴょんと跳ねる。
春風さんは怒ってるけど、
でも、私は……。
「オレも…本当にごめんなさい」
早瀬カイトの隣に座っていたトモキさんが、
立ち上がって頭を下げる。
「ウチのメンバーが大変な事を…。申し訳ありません」
そのまた隣のタクミさんが立ち上がってそう言うと、アオイさんも立ってペコリと頭を下げる。
そう。そうなのだ。
今、私のむかいに、ジェリーフィッシュのメンバーが勢揃いしてる!
すごくラフな私服姿だけど、
キラキラ眩しくて、直視できなくて、
思わず下を向いてしまう。
「いえ、あの…ほんとに……。私も、あんな素敵な歌になって嬉しかったですし」
「本当に!?」
マネージャー・春風さんの目がキラリと光る。
「じゃあ、本当に申し訳ないのですが、この曲、このままアルバム曲として使わせてもらって良いですか?
契約書を作成して…もちろん、作詞代も当社規定の通り出ますので」
「えっ!お金、もらえるんですか!」
素っ頓狂な声を出してしまい、
それまで神妙な面持ちだった早瀬カイトが目を丸くして、それから、ふっと笑う。
やだ、恥ずかしい…!!
顔がかーっと熱くなる。
「ヒナちゃん、面白いね。お金は大事!ボクもお金大好き!!」
リーダーのトモキさんがニコニコ顔でそう言ってくれる。
「じゃ、契約書、の原本を持ってくるので、保護者の方にもご確認頂いて、後日、また…」
春風さんが、色々説明してくれてる間、
ジェリーフィッシュのメンバーは、ホッとしたのか、
何やら楽しそうにおしゃべりを初めて。
私は、そっちの会話が気になって、春風さんの話が全然耳に入ってこなかった。
私に向かって、ジェリーフィッシュのカイトとヒカルが深々と頭を下げる。
いやもう。
ほんともう。
訳が分からない。
いや、分かったんだけど……、やっぱり分からない!!
コンビニに早瀬カイトが現れた後、
私は早瀬カイトと一緒にジェリーフィッシュのマネージャーさんの運転する車に乗り込み
、事務所の会議室に連れてこられた。
車の中での早瀬カイトの説明によると……。
私のノートをたまたま拾った早瀬カイトは、
(これもビックリなんだけど、私の憩いのスポットの藤棚は、実は早瀬カイトも1人になりたい時によく行くらしい)
誰のものだろうとペラペラめくって、
あの詩を見つけて、気に入って、
その前後をつけて、メンバーのヒカルさんにみてもらっていたらしい。
で、その後、忙しすぎてそのことを忘れちゃって。
その間にヒカルさんがマネージャーさんに詩を渡して、アルバムの中の一曲になって。
早瀬カイトはビックリして、
早く私に了承を得なきゃと思ったけど、
レコーディングの後に
すぐにプロモーション活動で海外に行ったりして、できなかったらしい。
「あり得ない!!!アンタは著作権をなんだと思ってんの!!!」
大きな声で早瀬カイトとヒカルさんを怒鳴りつけたのは、
私じゃなくて、マネージャーの春風さん。
めちゃくちゃ美人でオシャレな人だけど…、
長い髪が逆立って見えるほど、怒っている。
会議室の長い机の向こうで、
シュン、とうなだれる2人。
「あ、あの!大丈夫ですので!別に全然…」
「ダメよ!これは野原さんの大事な作品なんだから。それを勝手に使うなんて!!私も迂闊だった。本当に申し訳ありません」
大事な作品…。
私の、ただの妄想のあの詩が?
気持ちがぴょんと跳ねる。
春風さんは怒ってるけど、
でも、私は……。
「オレも…本当にごめんなさい」
早瀬カイトの隣に座っていたトモキさんが、
立ち上がって頭を下げる。
「ウチのメンバーが大変な事を…。申し訳ありません」
そのまた隣のタクミさんが立ち上がってそう言うと、アオイさんも立ってペコリと頭を下げる。
そう。そうなのだ。
今、私のむかいに、ジェリーフィッシュのメンバーが勢揃いしてる!
すごくラフな私服姿だけど、
キラキラ眩しくて、直視できなくて、
思わず下を向いてしまう。
「いえ、あの…ほんとに……。私も、あんな素敵な歌になって嬉しかったですし」
「本当に!?」
マネージャー・春風さんの目がキラリと光る。
「じゃあ、本当に申し訳ないのですが、この曲、このままアルバム曲として使わせてもらって良いですか?
契約書を作成して…もちろん、作詞代も当社規定の通り出ますので」
「えっ!お金、もらえるんですか!」
素っ頓狂な声を出してしまい、
それまで神妙な面持ちだった早瀬カイトが目を丸くして、それから、ふっと笑う。
やだ、恥ずかしい…!!
顔がかーっと熱くなる。
「ヒナちゃん、面白いね。お金は大事!ボクもお金大好き!!」
リーダーのトモキさんがニコニコ顔でそう言ってくれる。
「じゃ、契約書、の原本を持ってくるので、保護者の方にもご確認頂いて、後日、また…」
春風さんが、色々説明してくれてる間、
ジェリーフィッシュのメンバーは、ホッとしたのか、
何やら楽しそうにおしゃべりを初めて。
私は、そっちの会話が気になって、春風さんの話が全然耳に入ってこなかった。