私ってそういうこと⁉ー覚醒編ー/三部作最終話❣
その5
夏美
私は南部さんがこの時、何ともやるせないといった表情を浮かべているのが妙に気になった
同時にちょっとショックだったかな
正直言って…
少なくとも、この人にこんな顔してもらいたくない
似合わないよ…
そう訴えるような気分だったわ
...
「あのう…、大変おこがましいかもしれませんが、今、墨東会は紅組ととてもいい関係にあると…。これは南玉メンバー全員がそう承知しています。それって、1年前の両勢力が対決した後、墨東会を南部さんらが取り纏めて、年来の敵対関係にあった紅組と友好関係を築いたからゃじゃないんですか!」
「…まあ、界隈ではそう言うことになってるようだが…」
「では、違うんですか?」
「うーん、何て言うか…。紅組とは決してかりそめとか、表面だけを繕った関係ではないと自負はしてる。ただなあ…」
いよいよこの人らしくないよ、この歯切れの悪さ…
南部さん、私に何か気兼ねでもしてるのだろうか…?
...
「…伏魔殿。そんなとこかなってね…。オレにとって墨東会ってのは。まあ、砂垣さんの存在故ってことが大きいのは間違いないところだろうが…。あの人がパージとなっても、墨東内ではその影は消えないんだ、今もね。どうしても…」
そんな…
南部さん、とても苦しんでいる
辛そうだよ、この人…
...
「…私は昨年の火の玉決戦以降、墨東会は砂垣さんが追放処分となり、その後は南部さんら3人のリーダーによるトロイカ体制で紅組と協調路線が確立できたと解釈しています。素晴らしいことですよ。でも、実際はそうではないとおっしゃるんですか、あなたは…」
私は思わず詰問調になっていた
...
南部さん、私がムキなって熱くなってるのを見計らって、クスッと笑ってくれた
「キミは見かけによらず熱血漢だな。外見は”それ系”ではないが、モノホノの猛る女なんだろうな(苦笑)」
「南部さん…、そんな…。すいません、つい、私…。あなたの辛そうな表情を見て…」
「…オレ自身も、これ以上明確には言葉で表せないんだよ」
「…」
私は彼の眼をじっと見つめていた
そして彼も、その眼から視線を私に返してくれてる…
...
「…墨東会は混迷してるよ。いろんな諸グループを抱き込んだり、提携敷いたり…。ああ、女性の走りも2,3人のチームとかをいくつも系列化に引っ張ったりしてる…。それの指揮系統がオレから見ても正確なところが今一でね。方針はコロコロ変わって一貫性がなくて…、結局のところガバナンスの全容が見えないんだ」
「…」
「ふう…、これは今に始まったことではないし、ここまで抜本を見過ごしてきたのは他ならぬオレたちなんだが…。全く、南玉連合とはえらい違いだよな…(苦笑)」
「分かりました。お話は分かりましたから…。ですから、もう、そんな顔はやめて下さい。川原の時の南部さんに戻ってください!」
今度はせがむようだったわ
「…ああ、悪かった。つい、心の奥でモヤモヤしてたものを吐き出してしまった。もう、”こういうの”、これっきりだ」
ここで彼はその表情、やめてくれた
ありがとう…
...
さあ、ここでこそ一言聞かなきゃ…
「でも南部さん、これだけは教えてください!あなたはなぜ、女性集団の紅組と手を携えたんですか?」
「…」
「あの…、お答えが無理なようであれば、いいんです…」
「いや…、ただ、ちょっと長くなる。いいかな?」
「はい!」
さあ、いよいよ”当事者”である南部さんの口から、”そのいきさつ”を聞ける…
夏美
私は南部さんがこの時、何ともやるせないといった表情を浮かべているのが妙に気になった
同時にちょっとショックだったかな
正直言って…
少なくとも、この人にこんな顔してもらいたくない
似合わないよ…
そう訴えるような気分だったわ
...
「あのう…、大変おこがましいかもしれませんが、今、墨東会は紅組ととてもいい関係にあると…。これは南玉メンバー全員がそう承知しています。それって、1年前の両勢力が対決した後、墨東会を南部さんらが取り纏めて、年来の敵対関係にあった紅組と友好関係を築いたからゃじゃないんですか!」
「…まあ、界隈ではそう言うことになってるようだが…」
「では、違うんですか?」
「うーん、何て言うか…。紅組とは決してかりそめとか、表面だけを繕った関係ではないと自負はしてる。ただなあ…」
いよいよこの人らしくないよ、この歯切れの悪さ…
南部さん、私に何か気兼ねでもしてるのだろうか…?
...
「…伏魔殿。そんなとこかなってね…。オレにとって墨東会ってのは。まあ、砂垣さんの存在故ってことが大きいのは間違いないところだろうが…。あの人がパージとなっても、墨東内ではその影は消えないんだ、今もね。どうしても…」
そんな…
南部さん、とても苦しんでいる
辛そうだよ、この人…
...
「…私は昨年の火の玉決戦以降、墨東会は砂垣さんが追放処分となり、その後は南部さんら3人のリーダーによるトロイカ体制で紅組と協調路線が確立できたと解釈しています。素晴らしいことですよ。でも、実際はそうではないとおっしゃるんですか、あなたは…」
私は思わず詰問調になっていた
...
南部さん、私がムキなって熱くなってるのを見計らって、クスッと笑ってくれた
「キミは見かけによらず熱血漢だな。外見は”それ系”ではないが、モノホノの猛る女なんだろうな(苦笑)」
「南部さん…、そんな…。すいません、つい、私…。あなたの辛そうな表情を見て…」
「…オレ自身も、これ以上明確には言葉で表せないんだよ」
「…」
私は彼の眼をじっと見つめていた
そして彼も、その眼から視線を私に返してくれてる…
...
「…墨東会は混迷してるよ。いろんな諸グループを抱き込んだり、提携敷いたり…。ああ、女性の走りも2,3人のチームとかをいくつも系列化に引っ張ったりしてる…。それの指揮系統がオレから見ても正確なところが今一でね。方針はコロコロ変わって一貫性がなくて…、結局のところガバナンスの全容が見えないんだ」
「…」
「ふう…、これは今に始まったことではないし、ここまで抜本を見過ごしてきたのは他ならぬオレたちなんだが…。全く、南玉連合とはえらい違いだよな…(苦笑)」
「分かりました。お話は分かりましたから…。ですから、もう、そんな顔はやめて下さい。川原の時の南部さんに戻ってください!」
今度はせがむようだったわ
「…ああ、悪かった。つい、心の奥でモヤモヤしてたものを吐き出してしまった。もう、”こういうの”、これっきりだ」
ここで彼はその表情、やめてくれた
ありがとう…
...
さあ、ここでこそ一言聞かなきゃ…
「でも南部さん、これだけは教えてください!あなたはなぜ、女性集団の紅組と手を携えたんですか?」
「…」
「あの…、お答えが無理なようであれば、いいんです…」
「いや…、ただ、ちょっと長くなる。いいかな?」
「はい!」
さあ、いよいよ”当事者”である南部さんの口から、”そのいきさつ”を聞ける…