聖なる夜に明かすのは
2

灯里side

次の日の朝。

「おはよう美雪〜」

「灯里おはよぉー」

いつもの公園で挨拶し、一緒に登校する。

「ねえねえ、今日って課題ないよね?」

と聞いた私に対して、

「え?英語のプリント確か今日提出だよ」

という非情な宣告。

「あー忘れてたー!やばい、何分かかった?」

「なんか地味に難しくて、30分くらいかかった〜。解答無かったから丸つけはしなくて良かったけど」

「えー答え無いなら写せないじゃんー!」

「ドンマイ笑 ちなみに英語1時間目ですね」
「最悪だ…。まあいーや、忘れましたって言おっかな」

「灯里って、課題忘れても見せてって人に頼まないんだね」

「あーなんか、申し訳ない、それはさすがに。別に自分が見せてって言われるのは全然いいんだけどね」

「優しいなぁもう」

「え、なんか見せてもらうのって罪悪感すごいじゃん」

「えーその罪悪感もてるのが優しいんだって、」

美雪はそこまで言ったところで、何故か一瞬、何かを閃いたようにニヤッとした。

そして「でもさ、」と続ける。

「んー?」

「たまには人を頼りなよー。そんな1回くらい見せてって頼まれたくらいで嫌に思う人いないって」

「そうかなー…。じゃあ美雪に見せてもらおっかな笑」
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