聖なる夜に明かすのは
話しながら自転車で走り出す。
美雪と話すとなんか朝から元気出るんだよね。エネルギーに溢れてるって感じ。

「ごめん寒くてなかなか起きれなかった笑」

「あーね笑 寒いのは分かるけど気合入れてこ」

「気合いなんて入んないよお」

美雪が眩しくて思わず弱音を吐いてしまう。

「そんな情けない声出さないのー!
ほら、最近席替えもしたんだし、新鮮で楽しいでしょ?」

「えー、確かに新鮮だけど…」

「隣、小野寺だっけ?」

「うんそうだよ〜」

「どんな感じ?」

どんな感じと言われても…。最近隣になった小野寺咲也くんは、特に癖のない、ごく普通の男子だった。そこそこかっこいい方だと思うし、普通に優しいけど。それ以上でもそれ以下でもないというか…。会話は普通に成り立つから気まずくは無いけど、そんなに盛り上がる訳でもないし。

「んー、普通、かな」

「ふつう〜?」

私の答えに美雪はなぜか不満そうだったけど、普通なものは普通なんだからしょうがないじゃん…。
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