私たちのカンケイは【短編】
過去














コンコン  『失礼します』






『報告書、持ってきました』





「あぁ」





『機密を漏らした構成員と、情報を安売りしたバーテンの始末報告です』





「お疲れ。後はやっておく」





『よろしくお願いします。失礼しま』





「ヨナ」







チュッ






『……仕事中にこういうことはやめて下さい』







「したくなったから」







『プライベートと仕事はちゃんと分別付けてください。一応、首領なんですから』






「ほんと、仕事モードの時はつれねぇな」







ダビは暗殺組織【黒鵜(くろう)】の首領で、仕事においては





"心のない鬼"と名称を付けられるほどの男である。








「まぁいいや。んじゃ夜にな、ヨナちゃん」







『……失礼します』






ダビがこうして構ってくれるのは嬉しいし、安心する。






暗殺者になったのはダビの役に立ちたかったから。






ダビが喜ぶならなんだってする。






出会った時から、私はダビだけのものだ。




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