キミイロの世界を、もう一度。
episode 2
2月___……。
すっかり寒くなっていた。
時間が経つのも早いんだなぁ。
今日は、冬休み明けの登校日。
私の中から、降谷くんと景色を見たあの記憶が、色褪せ始めている時だった。
「今日は降谷くん、来るよね」
そう思いながら、教室の扉を開ける。
「……」
「……」
「……」
___静かだった。
いつになく、私のクラスは、静寂に包まれていた。
重くて、沈んでいて。
まるで、この世界から音と時間がなくなったかのように。
___静かだった。
すでに登校を終えた生徒たちが、一箇所に集まっている、
何かあったの……?
そう思って、クラスメイトたちの集まる方へ向かう。
___嫌な予感がした。
もう、戻れないような。
そんな予感。
それでも、私の足は止まらなくて。
「っ……!」
___見てしまったんだ。
___
______
_________
降谷くんのあったはずの席はなくなっている。
降谷くんのロッカーも、抜けの殻。
教室内にあった、降谷くんのネームプレートも、名札も、荷物も。
全部、全部……。
なくなっていた___……。